急変

さてさて、何から書けばイイのか・・・。
確か午前中、いつもの親父の見舞いに。午後になってからお袋と替わって帰宅し、借りていた『(ティム・バートンの)コープス・ブライド』を観る。
その後、PCを起動しちょこちょこいじくっていると17時頃かケータイが鳴る。
何となくイヤな予感がしつつも出ると「お父様の容態が・・・、奥さまと至急来ていただけないですか?」
って、ちょ、ちょっとそんなこと言われてもココロの準備が・・・。
訊くと、お袋は既に病院を後にしているとのコトだったが、タイミングよく帰ってきたので、その旨を伝え、「急ぐよ」と、タクシーで向かう。
お互いに「そんなに悪そうには見えなかったけど・・・」と、どうも信じられない。
で、到着。
午前中は(二人部屋なので)もう一人いたのに、いなくなっており、実質個室扱いになっていた。
容態は確かに悪そう(苦しそう)、我々が着いたことをお伝えし、「先生をお呼びしますから、談話室にてお待ち下さい」と、言われるがまま待っているとケータイに電話が!
「ヤバイ、慌てていたので電源切ってない〜」
出ると、先ほどの「病院に来てくれ」と言ってきた看護師さんだったので、「今、病院にいます」と教え、ほどなく、お声がかかり、先生の待つムンテラ室に通される。
呼び出された理由だが、容態の悪化による、今後の治療(?)方針についての説明と家族の了承について。
その治療(?)だが、
①(管挿入による)酸素供給機の使用の有無
②呼吸の苦しさを和らげるための鎮静剤投与の有無
である。
先ずは①だが、
現時点で自身での呼吸がままならない状態のため、最終的に直接、肺(食道止まりかは不明)まで、管を挿入し酸素を供給させるか? と言うこと。
さて、この方法の問題点。
管を挿入と言うが、相当な苦痛を伴うそうで(実際に喉の奥に指を突っ込んでみるとお解かりだろうが、指程度の短さでも、かなりキツイ)
処置している間は(苦痛を感じないように)意識をなくすらしい。
しかし、この処置を行っても事態は好転しないらしい。
これはある意味でのコールド・スリープなのだが、普通の場合、この状態で症状が安定したと判断された時に管を外すそうなのだが、親父の(間質性肺炎肺気腫)の場合、安定することは稀であるそうで(一割もないらしい)
「呼吸が止まり、死亡が確認されるまで外すことは出来ません(途中で外した場合、殺人と見なされる)」
次いで②、
鎮静剤を投与すれば、呼吸は穏やかにすることは可能だが、副作用(厳密には違うとは思うが)により、呼吸停止を招く危険性があると言う。
話振りから察するしかなかったが、要するに(呼吸が)荒くて鎮めようとしたが、配分が微妙な匙加減が必要らしく、効きすぎて完全に凪ぎ状態になってしまうことがあるとか。
更に、呼吸が穏やかになると言うコトは、結果として身体に供給される酸素が減るため、寿命は縮まるとのコト。
これらの治療には正解と言うものはなく、どちらを採るかは家族の方々に任せるしかない。と言われる。
良かれと思った治療が悪い方向に働くケースもあれば、何もしないで自然に任せた結果、後になって、「あの時、もっと何か、やってあげられなかったかねぇ?」と、後悔するケースも少なくないらしい。
「そんなコト、イキナリ言われても・・・」お袋共々、考え自体まとまらない。
「ま、今日明日に、劇的に急変することは考えられないですが、この件は一考お願いします」と、言われ、その場は帰ってイイと言われる。
あまりに唐突に、トンでもないことを言われて思考もまとまらず、お互いクチも聞かず、帰宅。
ボケッとしつつ、『マビノギ』にイン。
お世話になっているお方と歓談し現実逃避していると、23時頃にデンワが。
怨霊を絞って、聞き耳を立てていると「お父さんが、大変らしい。急いで病院へ」と。
慌ててその旨伝えて、返事も待たずにアウト。
着いてみて、呼吸がままならないようで、もがき苦しんでいる、その余りの様子に絶句・・・。
ほどなく、先ほどのムンテラ室に呼ばれ、さきほどの先生がお待ちになっておられ、「見られたように、かなり危険な状態です。申し訳ありませんが、先ほどお伝えした今後の治療方針を」と言われ、鎮静剤の投与をお願いする。
「呼吸停止の恐れがあることは覚えておいてください・・・」と、再三、確認をされ投与していただく。
尚、管挿入は止めていただく。
「危険な状態には変わりないので、ご家族の方はいらしていた方が・・・」で、付き添うことに。
簡易ベッドのレンタルがあるそうなので借りることに。とか思ったら、一セットのみ。
親父は相変わらず苦しんでおり、装着している酸素マスクが(脂汗のせいだろう)ズリ落ちてきてしまうので、交代で付きっきりでマスクのズレを直してました。